認知症ケア専門士に再挑戦|2024年度の不合格と祖母の認知症をきっかけに学び直した理由

資格・勉強

前回の記事では、私が現在持っている資格や、今後取得を目指している資格について紹介しました。

今回は、その中でも現在結果を待っている「認知症ケア専門士」について書きます。

私は2024年度に認知症ケア専門士の第1次試験を初めて受験しました。しかし、4分野のうち合格できたのは1分野だけで、残り3分野は不合格でした。

その後も介護職として認知症のある利用者と関わり、2026年7月12日に残り3分野を再受験しました。

再挑戦を決めた背景には、介護現場で自分の知識不足を感じたことだけでなく、母方の祖母の認知症が以前より進行したこともあります。

この記事では、認知症ケア専門士がどのような資格なのか、受験要件や試験制度、2024年度の不合格から再挑戦を決めた理由、2026年度の試験を受けた感想について書いていきます。

なお、試験問題の具体的な内容は掲載せず、公式に公開されている制度と、自分自身の受験経験を中心にまとめます。

認知症ケア専門士とは

認知症ケア専門士|公式サイト
認知症ケア専門士公式サイトです.一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する更新制資格です.資格所得者へのご案内もこちらにて掲載しています.

認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する更新制の民間資格です。

認知症ケアに関する知識、技能、倫理観を高め、認知症のある人や家族へより良い支援を提供できる人材の育成を目的としています。資格を取得した後も、研修や学会への参加などを通して継続的に学ぶことが求められます。

介護福祉士が介護全般に関する国家資格であるのに対し、認知症ケア専門士は、認知症に関する医学的知識、本人への支援、家族支援、多職種連携、制度や社会資源などをより深く学ぶ資格だと考えています。

介護施設で働いていると、認知症のある利用者と関わる機会は非常に多くあります。

同じ認知症という診断であっても、症状の表れ方、本人が感じている不安、身体状態、生活歴、家族関係、必要な支援は一人ひとり異なります。

現場経験だけに頼るのではなく、根拠を持ってケアを考えられるようになりたいと思い、私はこの資格に挑戦しました。

受験するために必要な実務経験

2026年度の認知症ケア専門士認定試験では、2016年4月1日から2026年3月31日までの間に、3年以上の認知症ケアの実務経験があることが受験要件となっています。

認知症専門の施設で働いている必要はなく、認知症ケアに携わっていれば職種や勤務先の種類は限定されません。また、介護福祉士やケアマネジャーなど、別の資格を持っていること自体は受験の必須条件ではありません。

私は大学卒業後から介護施設で勤務し、認知症のある利用者への介護を行ってきたため、実務経験の要件を満たして受験しました。

受験申請では、勤務先などに認知症ケアの実務経験を証明してもらう必要があります。

受験要件や対象期間は年度によって変わる可能性があるため、実際に受験するときには、その年度の公式サイトや受験の手引を確認することが必要です。

第1次試験は4分野

2026年度の第1次試験は、次の4分野で構成されています。

  • 認知症ケアの基礎
  • 認知症ケアの実際Ⅰ:総論
  • 認知症ケアの実際Ⅱ:各論
  • 認知症ケアにおける社会資源

各分野50問、合計200問の五者択一形式で、各分野70%以上の正答率が合格基準です。4分野すべてに合格すると、第1次試験合格となります。

各分野の合格は5年間有効です。そのため、一度に4分野すべてへ合格できなくても、合格した分野を残し、不合格だった分野だけを再受験できます。

私の場合、2024年度に1分野(認知症ケアにおける社会資源)合格していたため、2026年度は残り3分野を受験しました。

第2次試験と資格取得後の更新

第1次試験の4分野すべてに合格すると、第2次試験へ進みます。

2026年度の第2次試験は、認知症ケアに関する3つの事例に対して文章で回答する論述試験です。アセスメント、認知症への理解、介護計画、制度や社会資源、倫理的な課題などの視点が評価されます。

論述試験の合格後には倫理研修があり、登録手続きを経て資格取得となります。

資格取得後も、5年間に30単位以上を取得し、更新手続きを行う必要があります。資格を取った時点で勉強が終わるのではなく、継続的な学習を前提とした制度です。

2024年度に初めて受験

私が初めて認知症ケア専門士の第1次試験を受けたのは、2024年度です。

当時も介護施設で働いており、認知症のある利用者と日常的に関わっていました。

そのため、実務経験を生かせば、ある程度は回答できるのではないかと考えていました。

しかし、実際の試験では、現場経験だけでは判断できない問題も多くありました。

認知症の原因疾患や症状などの医学的知識、ケアの考え方、家族支援、多職種連携、制度、地域の社会資源など、出題範囲は広くあります。

現場で何となく理解しているつもりでも、五つの選択肢から適切なものを選ぶためには、知識を正確に整理しておく必要がありました。

2024年度は1分野合格、3分野不合格

2024年度の結果は、4分野中1分野合格、3分野不合格でした。

すべて不合格だったわけではありませんが、不合格となった分野の方が多く、結果を見たときは悔しさがありました。

介護現場で働いていることと、試験に必要な知識を体系的に身につけていることは、同じではありません。

現場で経験したことがない制度や支援方法もあります。

また、職場で普段行われている対応が、必ずしも本人中心の認知症ケアになっているとは限りません。

2024年度の不合格は、試験が難しかったというだけでなく、自分の勉強量や知識の整理が足りなかった結果だと受け止めました。

不合格後、すぐには再受験できなかった

不合格になった後、すぐに次の受験へ向けて動けたわけではありません。

介護職は、早番、日勤、遅番、夜勤などがあるシフト勤務です。

仕事が終わった後に勉強しようと思っても、疲れてそのまま眠ってしまうことがあります。

休みの日も、家事や用事を済ませるだけで終わることがありました。

一度不合格になると、

「また受けても同じ結果になるのではないか」

という気持ちも出てきます。

それでも、2024年度に合格した1分野を無駄にしたくないという思いは残っていました。

合格した分野の有効期間は5年間あります。その期間内に残りの分野へ合格すれば、第2次試験へ進むことができます。

祖母の認知症が進行したことも再挑戦のきっかけ

再挑戦を決めた理由は、介護現場で自分の知識不足を感じたことだけではありません。

もう一つ大きかったのが、母方の祖母の認知症が以前より進行したことです。

私は介護職として、日頃から認知症のある利用者と関わっています。

しかし、仕事として利用者を支援することと、自分の家族に認知症の症状が現れることは同じではありませんでした。

施設では職員として状況を整理し、ほかの職員や医療職と相談しながら対応できます。

一方、自分の家族のことになると、介護の知識を持っていても、心配や戸惑いが先に出ることがあります。

以前と比べて忘れることが増えたり、会話がかみ合わない場面が見られたりすると、認知症が進んでいる現実を家族として受け止めなければなりません。

本人への接し方だけでなく、これからどのような生活や支援が必要になるのか、周囲の家族がどのように関わっていくのかも考えるようになりました。

介護職だからといって、家族の認知症に迷わず対応できるわけではありません。

むしろ、介護職として働いているからこそ、分かったつもりにならず、認知症について改めて学び直す必要があると感じました。

利用者と家族の両方を見る視点

認知症は、本人だけの問題ではありません。

本人を支える家族にも、不安、戸惑い、負担が生じます。

今後どこで生活するのか、どのような介護サービスを利用するのか、本人の希望をどのように確認するのかなど、家族が悩む場面も増えていきます。

一方で、家族だけですべてを抱え込めば、支える側が疲れてしまいます。

介護保険サービスや医療機関、ケアマネジャーなど、周囲の支援を利用することも必要です。

介護職として制度を知っていても、自分の家族のこととして考えると、支援を受ける側の不安が以前より具体的に見えるようになりました。

職員にとっては日常的な説明でも、本人や家族にとっては初めて聞く内容かもしれません。

専門用語を並べるだけでなく、相手の気持ちを確認しながら分かりやすく説明することの重要性も改めて感じました。

祖母の認知症が進行したことは、家族としては不安な出来事です。

同時に、認知症のある本人だけでなく、家族への支援についても学びたいと強く思うきっかけになりました。

2026年度の勉強方法

2026年度の再受験では、主にテキストと模擬問題を使って勉強しました。

特に意識したのは、五者択一形式の問題に慣れることです。

内容を何となく理解していても、選択肢の文章を正確に読めなければ、正解を選ぶことはできません。

一つの選択肢だけを見るのではなく、ほかの選択肢のどの部分が適切ではないのかも考えるようにしました。

まず問題を解き、自信がなかった問題や間違えた問題を確認します。

その後、テキストへ戻り、関連する部分を読み直しました。

最初からテキストをすべて完璧に覚えようとすると、範囲が広く途中で止まりやすくなります。

そのため、問題演習を通して苦手な分野を見つけ、必要な部分を重点的に復習しました。

現場経験と家族の経験を結びつけて考えた

2024年度の受験時より、2026年度の方が介護現場での経験は増えています。

今回は、テキストの内容を試験のための知識として覚えるだけでなく、実際に関わった利用者や祖母のことを思い浮かべながら考えました。

本人の言動をすぐに「問題行動」と決めつけないこと。

本人が何に不安を感じているのかを考えること。

生活環境や職員の関わり方を見直すこと。

家族の不安や負担にも目を向けること。

多職種で情報を共有すること。

これらを実際の経験と結びつけて理解できたことは、2024年度との大きな違いでした。

2026年7月12日に残り3分野を受験

2026年7月12日、2024年度に不合格だった残り3分野をWeb試験で受験しました。

2026年度の第1次試験は、午前9時30分から午後3時15分まで、4分野を時間帯ごとに受験する形式でした。私は合格済みの1分野を除き、午前に2分野、午後に1分野を受験しました。

一日に3分野を受けるため、知識だけでなく集中力も必要でした。

午前中に迷った問題があっても、午後の試験まで引きずらないように気持ちを切り替えました。

Web試験ではありますが、好きな時間に自由に受ける形式ではありません。

事前に通信環境や使用する端末を確認し、受験票や本人認証コードを受け取るためのスマホなどを準備して臨みました。

2026年度の試験は難しく感じた

今回の試験を受けた率直な感想は、「今年は難しかった」です。

勉強した知識から判断できた問題もありましたが、最後まで選択肢を迷った問題も多くありました。

一見すると複数の選択肢が正しいように感じたり、細かな言葉の違いを判断しなければならなかったりする問題もありました。

試験が終わった後も、

「3分野すべて合格できた」

と言い切れるような手応えはありませんでした。

それでも、2024年度より、全く分からない状態で選択する問題は減ったと思います。

現場経験、家族として感じたこと、勉強した知識をもとに、選択肢を比較して考えられる場面は増えました。

2024年度の不合格は無駄ではなかった

2024年度に3分野不合格となったときは、勉強した時間が無駄になったように感じた部分もありました。

しかし、今回再受験してみると、前回の経験があったからこそ、試験形式や必要な勉強量を理解できていたと思います。

一度不合格になったことで、自分が十分に理解できていない分野も分かりました。

前回から今回までに介護現場で経験を積み、祖母の認知症とも向き合ったことで、以前は暗記していた内容を、実際の生活や支援と結びつけて考えられるようになりました。

不合格は望んでいた結果ではありません。

それでも、そこで終わらず再挑戦したことで、2024年度の経験にも意味を持たせることができたと思います。

現在は結果待ち

2026年度第1次試験の結果通知は、2026年8月17日に投函される予定です。

得点自体は公表されず、分野ごとの合否が郵送された通知で知らされます。

今回受験した3分野すべてに合格できれば、2024年度に合格した1分野と合わせて、第1次試験合格となります。

その後は、3つの事例に対する論述試験へ進みます。

もし不合格の分野があったとしても、今回合格した分野は5年間有効です。

結果を受け止めたうえで、今後の受験について考えます。

資格取得だけを目的にしない

認知症ケア専門士を取得できれば、自分にとって大きな成果になります。

ただし、資格を取ることだけが最終目的ではありません。

大切なのは、勉強したことを、利用者への関わりや家族への支援に生かすことです。

資格を持っていても、本人の気持ちを考えず、職員や家族の都合だけで対応していれば意味がありません。

反対に、試験結果が不合格だったとしても、学んだ知識を日々の仕事や祖母との関わりに生かすことはできます。

利用者に対しても、自分の祖母に対しても、できなくなったことだけを見るのではなく、本人が何を感じ、どのような生活を望んでいるのかを考えたいです。

まとめ

認知症ケア専門士は、日本認知症ケア学会が認定する更新制の民間資格です。

2026年度の受験には、過去10年間のうち3年以上の認知症ケア実務経験が必要です。

第1次試験は4分野、各50問の五者択一形式で、各分野70%以上の正答率が求められます。

合格した分野は5年間有効で、4分野すべてに合格すると、3事例に対する論述形式の第2次試験へ進みます。

私は2024年度に初めて受験し、4分野中1分野だけ合格しました。

残り3分野は不合格でしたが、その後も介護現場で経験を積み、2026年7月12日に再受験しました。

今回の再挑戦には、介護現場で自分の知識不足を感じたことに加え、母方の祖母の認知症が進行したことも大きく影響しています。

認知症は、仕事で関わる利用者だけの問題ではなく、自分や家族にも関係する身近な問題です。

介護職として利用者を支えるためにも、家族として祖母と向き合うためにも、経験だけに頼らず認知症について学び直したいと考えました。

試験は難しく、合格できたという確信はありません。

それでも、2024年度よりも現場や家族の経験を問題と結びつけて考えられたことは、自分にとって大きな変化でした。

結果が届いたら、このブログでも合否と今後の予定を記録します。

合格できた場合は、第2次試験の論述対策についても書いていく予定です。


※受験要件、試験方法、日程などは年度によって変更される可能性があります。受験する場合は、認知症ケア専門士認定試験公式サイトの最新情報をご確認ください

認知症ケア専門士|公式サイト
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